眼鏡補聴器で失敗しないポイント 職業病、生活のクセ

脳梗塞後の眼鏡作りで失敗しない為に知っててほしいこと

 

 

脳梗塞(脳卒中)後遺症で悩んでいる人は

けっこう多いです

 

そして、発症前に作ったメガネが

全然合わないって人もかなりいます

 

約6か月間入院して、

退院したからメガネ作ろうとして…

作るけど

その時は、見えるけど

すぐに見えなくなる事も多いです

 

メガネ屋さんで検査するときは、

複視を発見して、プリズムで解決します

1つに見えて、これで大丈夫!ってなるんですけどね…

 

 

1.視力以外に重要な検査

 

脳卒中後のメガネ作りで重要なのは、

視力の方ではありません

目の筋肉の使い方です

 

これは急性期病院で発症直後からの

筋肉の変化を知らないと

その場だけ見える眼鏡を作ってしまいます

 

脳卒中で入院した病院に視能訓練士の先生がいて

毎日リハビリしてくれるようなところは

ほとんどありません

 

目のリハビリも最初から入ってもらえると

治療効果も変わってくる気がしますが…

統計不足だし、加算もとれないから

病院も積極的には導入してくれないと思います

 

入院中は、在宅で生活するための

リハビリが中心になります

 

そして、新しいメガネを作ってかけると…

どんな変化が起こるかというと

 

 

2.見えるようになると脳の使い方に変化が?

 

その人に合った新しい度数を入れることで

目の使い方、首の使い方が変わってきます

 

麻痺があるということは、

目の筋肉、首の筋肉にも少なからず影響が出てるので

脳が一生懸命動かそうとします

 

ここが問題なんです!

 

医療関係者ならわかりますが、

麻痺で硬くなってる筋肉を

力で伸ばそうとすると抵抗します

 

プリズム検査で目に抵抗を加えると

目の筋肉も抵抗してるはずなんです

 

その抵抗を無理矢理こえるような

強さのレンズにすると

眼鏡屋さんでは、

『見えるメガネ』になります

 

家に帰ったら、使えない…

 

 

3.メガネにもリハビリ的思考が必要

 

本当は

本当は、発症してから割と早めに検査して

脳の回復力が高いときに

目の協調運動もリハビリしてほしいのですが

現状、難しい

 

退院後メガネ作成時が目と目の筋肉の

リハビリスタートです

 

目の使い方が少しでも改善してくることで

変わってくることがあります

 

正しく見えると、恐怖による緊張が減る
 

緊張が減ると、転倒リスクが減る
 ↓
活動性UP

 

こんな流れが作れます

 

だけど、

 

怖い、見えない

緊張して筋肉硬く

危ないから安静

 

を繰り返すと、どんどん

日常生活のできることが減っていきます

「転んだら大変だから…」

 

「退院直後は、できていたんだけどね…」

この言葉を少しでも減らせたら

 

 

安全に過ごすために、

介護サービスや家屋改修があり

リハビリで安全な動きやできることを増やします

これだけでは足りないんです

その足りないものの1つが

『視力』

外界の情報の8割がうまくとりいれられないと

発症してない人でも怖いですよ

 

 

 

4.どんなメガネ作りが必要か

 

まず、1回で合わせるのは無理です

 

発症後何年か経過し、

状態が安定していれば別ですが

 

脳は、一生懸命回復しようとしています

 

リハビリは、回復しようとする場所を

邪魔してはいけません

 

なので、あえて低負荷からはじめます

最初っから、どきつい練習はしません

 

なんの検査もせず

最初から全部をカバーするような

装具も作りません

 

『回復の幅』をもたせてくれるんです

 

なので!

 

①複視も麻痺の抵抗なのかを考える

 

見極める方法は、ハッキリ言うとまだ無いと思います

 

どの程度麻痺が回復してくるのかも

不明なので、

プリズムレンズでの補助を

判断するのは難しいんです

 

私の経験上ですが、

2年以内は、結構変化があるので

合わない眼鏡になりがちです

 

なので、高級なレンズではなく

なるべく安いレンズで定期的に交換する

くらいのつもりでいてくださいね

 

回復の邪魔をしたくないので

 

他店で作ってうちに来られた人たちは

たいがいが筋緊張に無理矢理抵抗したプリズムを

いれるため、強過ぎる状態になっていました

 

なるべく緊張しない状況にして

「疲れた」っていうくらいの状況が

筋緊張も少しゆるんで測定しやすかったです

 

 

②外眼筋のリハビリ

 

まだエビデンスもありませんが

目のまわりの筋肉を動かす練習を続けることによって

少しは動かしやすさが違ってきます

 

目の周りの筋肉が少しでも安定したり

使い方を工夫してくれることによって

プリズムの方向や強さも安定してきます

 

方法は、

非麻痺側の親指を立てて

八の字や大きな丸を描くようにします

その際に、頭は動かさず目だけで追ってくださいね

 

あと近くを見たり、遠くをみたりを交互に

繰り返します

やり過ぎたり、人によっては吐き気が出てくる可能性が

あるので無理はしないで下さい

 

 

③これは眼鏡屋さんの問題なのですが…

 

もしも調節力の筋肉も麻痺の影響をうけていて

筋緊張亢進→近視へ

筋緊張低下→大きな変化なし

 

ということも考えられるので

検査するときには、

少し思い出してくださると嬉しいです

 

 

 

 

5.まとめ

 

最初から無理なく完璧な

眼鏡を作ることはできません

 

眼鏡屋さんでは、複視もなく1つに見えても

家に帰ったら逆に二重に見えたり

 

半年とか使っていると

目も目の筋肉も回復して

合わなくなってきたり

 

何回か調整が必要です

 

多少重くなっても、無理して薄型にせず

できる範囲で値段を落として

『定期的に作り替えが必要』って

思っていてくださいね

 

とりあえず、目のリハビリとして

親指立てて、運動がてら目のリハビリを

少しずつしていってみてくださいね。

 

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店長タカダ

指宿出身指宿育ち子どもは2人。病院と介護施設で理学療法士をしていたが、メガネに救われ苦しめられ、また救われ眼鏡屋さんになりました。視力検査も好きですが、似合う眼鏡を一緒に探して「これだっ!」を聞けたら幸せな気分になります。

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